皇国の守護者5 英雄たるの代価 :佐藤大輔

六芒郭の戦いもユーリア捕虜とすることで一段落と思いきや、一転、<皇国>内で政治戦の匂いが。

ほぼこの巻は政治戦の前振りでしたが、も、すっげ面白いんですよ。
冴香とユーリアの立ち位置が大変面白い。俺は断然、冴香派ですが!大声で言うのもどうかとは思いますが!

<帝国>軍は冬もただ眠っている気はないようで、マランツォフは虎城に向けて表向きは冬季攻勢である示威行軍を開始。
春まで戦いはないと踏んでいた<皇国>軍は、その対応を迫られることに。
第11大隊を率いる佐脇と新城の対比。兵の動かし方を知っていることと、兵を動かすことの差が明確に顕れましたね。
新城にできたことが、なぜ己に出来ないのかと思いつつも、新城の取った戦術を倣う佐脇。しかし、彼は新城にはなれない。

司令である新城の義兄、駒城保胤は疲労による体調不良により、判断を逡巡するがそこに公用軍使として新城が現れる。
疲労の極限にあったか、安堵のためか、保胤は意識を失うが、そこで異例中の異例ではあるが少佐である新城が司令代行を担うことに。
ここでの代行宣言の下りは緊張感はもとより、軍使である新城から、司令としての新城に変わる様が面白い。