スカイ・クロラ

ササクラにびっくりするの巻。


いやだってさー、ササクラって、典型的な(というのも語弊があるが)メカオタ気質の整備士だと思ってたから、
初っぱな出てきて「誰だこれ」と思いつつ…数秒して「ササクラァあああああ?!」とか思いましたよ。
何で声が榊原良子なんだよ、俺ずっとササクラは男だと思ってたんだよ!(笑)
確かに小説では性別に関しての明確な表現はなかったと思うけど、あの機械への偏執ぶりはどうも男っぽい感じだったんだけどなー。
いやーびっくりしました。なんか、姐さん(つーかみんなの母さんか)みたいな立ち位置に居るしね。
ほんとこれだけで原作組は見に行く価値があると思う。(ってササクラ=女に気付いていないのが俺だけだったら恥ずかしい)


音がいい。水素がワインを飲み干して、やや高めの位置から置くときの、鈍い、クロスの上に置いた感じの音。
ともすれば割れそうなほどに力を入れかけているにもかかわらず、最後の瞬間にそれを緩めているような、微妙な理性を残す音。
ここでかなり感心した。それまでも飛行機のエンジン音とかが違うのには気付いていたんだけど、音だけで演出というか空気作ってる。
神は細部に宿るとは言うが、音選びの良さは感嘆に値する。
たぶん眼を閉じていても、何をしているかがわかるだけの情報量がある。


森博嗣作品って、ずっと煙草吸ってただ外を眺めてるような間って在るじゃないですか。
ずっとカメラ長回しして、その後、相手の顔を見ずに、ポンとセリフを言うシーンとか。
で、セリフのあとに、言った人の顔にカメラ移ってーみたいな印象を持ってたけど、なんかそのまんまやってる感じで面白い。
森博嗣の小説の再現度たけえええっ!とか思いました。
森博嗣は映像でシーンを想像し、小説に落とし込むとどっかで昔に書いていた気がするのだが(勘違いかも知れません)
映画的なレイアウトになっているとはいえ、かなり彼の想像に近いものができているのではないかと思う。


ほんの僅かな期待。それが、終わりなき日常の終わりになるのか。
ちゃんと「I kill my father」って言ってたし。


もう一度観に行くと思います。