魔法少女リリカルなのはStrikerS 第8話:願い、ふたりで :感想

Bパート後半で、前半のスバルのおぱーいとかすべてがぶっ飛ぶ、展開に驚愕。


なのはとティアナは「約束」を交わした。
ひとりじゃない、まわりには仲間がいる。と、諭すようになのははティアナに語った。


だが、ティアナはその真意を受け止めることができず、己が力を求める。
己の力を、誰のために、如何に使うべきかを知ることもなく。


模擬戦。
幻影ではあったが、隙のある砲撃を打とうとしていたときから、なのはは訝しんでいただろう。
砲撃はなのはの十八番。それゆえにその良し悪しもわかっているだけ、ティアナが…?と。
その予感は的中し、模擬戦でティアナは己の立場である中距離戦を捨て、なのはに接近戦を挑んだ。


それをなのははレイジングハートを起動状態に戻した状態、すなわち自身の純粋魔力のみで受け止める。
付け焼き刃の個の力など、圧倒的な力を前にして効かぬとでもいうかのように。蛮勇では事を成せないというかのように。


圧倒的な力の差を見せつけられながらも、まだティアナは抗う。
我を忘れて、感情に流されるままの砲撃。だがその射線上にはなのは、隣にはスバル。
また、仲間を巻き込もうとするティアナに対して、あくまで冷静に、圧倒的な魔力を叩きつけるなのは(それもレイジングハートなしで!)
おそらくは、初撃は魔法詠唱をも終えてしまった砲撃魔法との対消滅も狙ったのだろう。
それでも、なのはの攻撃はティアナの戦意を喪失させるに十分なほど、ティアナにダメージを与える。
だが、なのはは再び魔法を発動させた。
この先、本当の死を迎えないためにも、ティアナの行いがなにをもたらすのか、それを徹底的にその身に刻むために。
だから、なのはは、ここでティアナを「殺した」のだ。


ティアナの考えもわからなくはない。
戦術の幅を広げることは、今後の予測できない状況に対処するために必要なこと、だと。
だが、なのはは中距離の精密射撃も満足にできないうちから、他のことに目を向けることは、得てして器用貧乏に終わってしまうことを想定していたんだろう。
ヴァイスがティアナに言ったように、「変なクセがつく」ことを懸念していたのかも知れない。


なのはやフェイトのようなオールラウンダーは奇跡のような存在で、それに比肩する存在などそうはいない。
だから、優秀といえども、一芸に秀でた者が大多数で、多くの魔導師はその力を合わせなければ、戦うことが出来ないことをこの10年で知っているのだろう。
なのはの計画のなかでは、ティアナは中距離戦を制する役割を期待し、またそのように育ててきた。
それはきっと、ティアナの攻防のバランス(防御はあまり強くないと思える)などを加味した上での計画だっただろう。
接敵を許すほどに、死に近づく。だから、前衛のスバルがいて、己の戦い方があるというのに、ティアナは自ら敵に向かっていった。
彼女が、その持ち場を離れて行動することは、ティアナ自身を、ひいては仲間の死の可能性を高める。
なのはは、それを知っていて「約束」を交わしたはずなのに。
それがティアナには伝わらなかった。
その悲しみゆえの行動が今回のなのはさんなんだろう。


さて、次回はヴィータとなのはの冬の事故がクローズアップ。
この事故も演習中に起こった事故(だったかな?)なので、今回の模擬戦での行動と重なる部分がある。
あのとき何が起きたのか、そして、あのとき起きたことが、今にどう繋がるのか。


今回は絵も良かった。
模擬戦後半のなのはさん全般の表情はもとより、スバルの表情がとても、とても、感情にあふれている。
特に最後、なのはを睨むスバルの表情は特筆に値する。すげえ揺さぶられた。いやー素晴らしい。


そして、スバルの中のひとの演技も光った。
ティアナに向けて二度目の攻撃をするなのはに掛けた声、そして落ちてゆくティアナに向けた絶叫。
いやー素晴らしい。素晴らしいよ。すばるのおぱーいも素晴らしかったよ。