『狼と香辛料:支倉 凍砂:電撃文庫』 読了。

前からタイトルで気になってて、『ミナミノミナミノ』以来、ラノベ読んでなかったので読んでみようと思って、同居人に「買った?」って聞いたら案の定買ってて、ベッドの上から出てきたんで同居人は気に入ったのだろう。同居人は気に入った本は俺の本だろうとベッドに積む習性があり、まるで宝石を集める鴉である。


話が逸れた。

ラノベで経済戦というか社会戦をやるというのは珍しい部類に入るだろう。今回、ある意味、仕手戦の話だしな。
騙すか騙されるかがそれでは済まなくなって、殺るか殺られるかになる。うん。
この行商人が主人公という世界への関わり方もこの作品を独特のものとしている。


全体的にゆったりとした空気を纏う作品で、大変心地よかった。
決して派手ではないが、味のある作品である。
ホロのからかい気味なセリフがいちいち、心をくすぐるのう〜。
ロレンスの人恋しさとホロの寂しさの間に生まれる淡いふたりの想いがちょっといいですね。


クライマックスがダブルブリッドのようで、異形の者を心では受け入れようとしても、本能がそれを受け入れない感覚というのは大変正直で宜しい。